ドラマ『北の国から』
今日はですね。
私の好きな脚本家や、ドラマについて綴ってみたいと思います。
私には好きな脚本家がいてね。
ドラマの脚本の構成の素晴らしさなどに、中学生くらいの頃から感銘を受けるようになって
良いなと思ったドラマは、必ず、どういう脚本家が手掛けているんだろう?と調べる習慣がついて
新ドラマの発表がある都度、まずは脚本家が誰なのかを確認するようになったんです。
1番最初に強く印象に残った脚本家は、『北の国から』を手掛けた「倉本聰」さんでした。
倉本さんの書くストーリーやセリフ回しは、独特だったりしますよね(^-^)b
北海道を舞台にした作品が多いですけれど、大自然の中で暮らす人々の姿を描いたらピカイチな脚本家だろうなと思います。
『北の国から』の後に書かれた『きのう、悲別で』というドラマも、大きなメリハリがあるわけではないんですけれど、淡々とストーリーが進行していく中で、人として失くしてはいけないことを描いていて、深い内容で心に残ったドラマだったりしました。
そして次に印象に残った脚本家は、大ヒットした『家政婦のミタ』を手掛けた「遊川和彦」さんでした。
遊川さんは、他にも沢山注目を集めたドラマを残していてね。
『ママハハ・ブギ』『学校へ行こう!』『禁断の果実』『女王の教室』『魔女の条件』『真昼の月』『GTO』『お前の諭吉が泣いている』『過保護のカホコ』などなど、数え切れないくらいですねぇ(^-^;
私が遊川さんの手掛けた作品で好きだったのは『十年愛』と『幸福の王子』で
どちらも主人公たちの長きに渡る愛を描いたストーリーで、特に『十年愛』を見た時に「このドラマ、素敵だな」って素直にそう感じられて、遊川さんの作品が好きになったキッカケのドラマでした。
その次に印象に残った脚本家は…。
描く世界が意表を突くもので衝撃的だったり、物事の本質に焦点をあてて、視聴者に考えさせて問いている内容が多い「野島伸司」さんでした。
野島さんの代表作の『101回目のプロポーズ』は大ヒットしましたね。
初期の頃の作品は、比較的アットホームな内容でしたけれど、『高校教師』以降は
だいぶ野島ワールド炸裂した!と言うように、表現の仕方もえぐいものも多くなりましたけれど…。
でも、一世風靡した作品が多かったですね。
『君が嘘をついた』『愛し合ってるかい!』『すてきな片想い』『愛という名のもとに』『ひとつ屋根の下』『人間失格~たとえば僕が死んだら』『未成年』『聖者の行進』『ゴールデンボウル』『プライド』『バラのない花屋』などなど。
中でも私が好きなドラマは『この世の果て』でした。
こうして挙げてみると、どこか作品のカラーに共通点がある脚本家さん達かなって思います。
その中で、今日は倉本聰さんの手掛けた『北の国から』をピックアップしてみます。
このドラマは民放放送の❝大河ドラマ❞だ!と言われているくらい大絶賛されたドラマでしたよね(#^.^#)b
父子3人で都会から移住してきて、北海道の富良野という町で「電気もない元々は馬小屋だった家」で生活をスタートしていくところから、物語は始まりますけれど
都会っ子だった長男の純(吉岡秀隆)が、なかなか北海道の暮らしに馴染めなくて
その上に、生意気だったり、ずる賢かったりするため、父親の五郎(田中邦衛)と衝突しながらも
大切なことを学んでいくその過程が物語の醍醐味でした。
そんな純とは正反対の長女の蛍(中嶋朋子)が、五郎を気遣って健気な姿も印象的でしたねぇ。
そして、電気もガスも水道も通っていない家だからこそ、工夫して生活する様子が描かれているので、勉強にもなりました。
肉や魚の燻製を作るシーンもありましたしね!
お風呂を沸かす時も、薪に火を点ける際に❝白樺の木の皮❞を使っていたりして
そんな方法なんて、ドラマを見るまで知りませんでしたしね。
川の沢から水を引いて水道を作っていったり、風力発電を作って電気を通したり
このドラマを見てたのは、私が中学1年生くらいだったと思うんですけれど
見るもの全てが斬新に映りました。
それは人間が、この世に存在してから暮らし続けてきた原点の姿なのに、豊かになって物が溢れるようになったら、忘れ去ってしまっている事なんだなって。
そういった事に気付かせてもらえるドラマでもありましたね。
自然は優しいだけじゃなくて、自然界の脅威もある事も描いていましたし
物を粗末にしちゃいけない事であったり
富良野に住む人々の交流や志を知ることで、大切な事は何なのか?と言うことであったり
農家や牧場経営を存続していく事の厳しさなども描いていました。
そしてそういった事を、純が1つ1つ体験しながら学んでいき、悲しみや喜びを味わいながら成長していって、自分が変わった事に気付いたりして。
ずっと、田舎者だと思って軽蔑していた父親のことも、理解できるようになって
そんなシーンを見ていて、心が温まった気がしました。
このドラマは連ドラ放送が大ヒットしたことで、その後も数年おきにスペシャルドラマとして放送されましたよね!
- 『北の国から ’83冬』
- 『北の国から ’84夏』
- 『北の国から ’87初恋』
- 『北の国から ’89帰郷』
- 『北の国から ’92巣立ち』
- 『北の国から ’95秘密』
- 『北の国から ’98時代』
- 『北の国から ’2002遺言』
それぞれに名場面がありましたよね(*^_^*)b
「’84夏」の中では、五郎が建てた丸太小屋が、純の不注意で火事になって燃えてしまい、自分のせいだったと五郎には言えずにいて、同級生で一緒に暮らしていた庄吉(中澤佳二)のせいにしてしまって、そのことを、ずっと後悔していて…。
夕飯を食べるために入ったラーメン屋さんで、やっとの想いで純が真実を伝えるのに
お店の店員がもうお店を閉めるということで、まだ純が食べ終わっていないのに器をさげようとして、五郎が「まだ子供が食べてる途中でしょうが!」と叫ぶシーン。
強烈に心に残りました。
「’87初恋」の中では、純が令ちゃん(横山めぐみ)と出会って恋をして、令ちゃんの父親が所有する納屋の中で雨宿りをしている時に、2人で尾崎豊の曲について楽しそうに話すシーンなど。
バックで「I love you」が流れるのが印象的でした。
他には令ちゃんに促されて、純が中学を卒業した後は東京に行くことを決めて
東京に向かう時に長距離トラックに乗せてもらい、その際にトラックの運転手が五郎が運賃代わりに渡した2万円を「これは受け取れない」と言って純に渡すんですけれど
そのお札には五郎の指が触れた跡であろう泥がついていて、それを見て五郎の心情が痛いほど伝わり純が涙するシーンも、見ているこっちまで涙が溢れてきたりしました。
「’89巣立ち」の中では、純が軽い気持ちで付き合ってしまったタマ子(裕木奈江)が妊娠してしまい、結果的には堕胎手術を受けることになり、そのことで五郎が上京してきて、タマ子の親代わりの叔父にカボチャを渡して謝罪するという。
その際にタマ子の叔父が言った「誠意って何かね?」と言うシーンが忘れられなかったです。
そして五郎が北海道に戻ってきてから、もう一度丸太小屋を建てようとして用意していた木材を売り「誠意の形」として、タマ子の叔父に送ることになるんですけれど
そのことで家を建てることを諦めるのではなく、次は廃石を使って石の家を建てることを決意して
長渕剛の「西新宿の親父の唄」のサビの部分「やるなら今しかねぇ~」と歌っているシーンも、五郎の気合いが伝わってきて元気と勇気をもらえたりしました。
発想の転換でアイディア1つで、物事は良い方に捉えることができるんですよね。
他にも色々ありますけれど、書ききれません(笑)
でも、純と蛍が大人になるにつれて、昔は厳しいことを言っていた五郎が、怒らなくなり温和になっていく姿に、段々、親と子は逆転していくものなんだなぁと感じたりしましたねぇ…。
そして子供の頃は、あんなに五郎を慕っていて優しかった蛍が、純よりも五郎に対して冷たい態度を取ったり、我が道をゆくようになったことが、寂しく感じたりもしました。
トータルして21年の黒板家の歴史を描いたドラマでしたけれど、2002年を最後に幕を閉じてしまったのも残念です。
田中邦衛さんも数年前引退されてしまいましたものね…。
今の時代、こういったドラマは流行らないのかもしれませんけれど、いつか違う形でも良いので「黒板家のその後」を作ってくれたら良いなぁっと思ったりしています。