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バツ2の私が経験を元に、色々綴っています

浜田省吾ヒストリー⑦ アルバム「愛の世代の前に」

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浜田省吾さんの歴史を振り返るコーナー、7回目は…。

 

アルバム「愛の世代の前に」

 

愛の世代の前に

愛の世代の前に

 

 

前回のアルバム「HOME BOUND」で、自分にしかできない音楽の基盤を確立できて、炸裂した省吾さんでしたけれど

そこから勢いがついて、どんどん本領を発揮していくんです。

 

それまでは動員数300~400名という小規模な会場で、ライブを開催していましたけれど

いよいよ「武道館」を目指し挑んでいくんです。

そして、その武道館でのライブに向けて、強力なアルバムを作りたいと考えて

この「愛の世代の前に」というアルバムを完成させたんです。

かなり気持ちが入っていたんでしょう。

このアルバムを2週間という短期間の間に作り上げてしまったんです!

驚愕しちゃうレベルの早さですよね。

だからと言って手抜きしたわけではなく、1つ1つの歌が中身の濃い名曲揃いのアルバムになっているんです。

 

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特にアルバムのタイトルにもなっている「愛の世代の前に」という歌

一瞬、聞いただけではわかりにくいですけれど

核の問題を念頭に入れて、反戦歌になっている奥が深い歌なんです。

 

その当時、スリーマイル島にある原子力発電所で事故があったのですが

それ以来、世界では核の問題がクローズアップされていました。

省吾さんも、原爆投下された広島県出身ということもあり、反核運動を支持する想いも強かったんだと思います。

そういうこともあり、その想いを歌に込めたのだと思います。 

 

愛の世代の前の暴風雨の中

すりかえられた脆い夢など崩れ落ちてく

 

ルーレットは回り続けてる テーブルに積まれた切り札の陰で

誰も皆 勝つことだけを信じて賭を続ける

 

愛の世代の前の一瞬の閃光(ひかり)に

すりかえられた脆い夢など崩れ落ちてく

 

憎しみは憎しみで 怒りは怒りで

裁かれることに何故 気付かないのか

 

 

ここで言っている「一瞬の閃光」というのは、原爆投下された時の巨大な光のことなんでしょう。

 

愛の世代の前に (1981)

愛の世代の前に (1981)

  • 浜田 省吾
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

他には、初回シングル盤として発売さた「悲しみは雪のように」も、このアルバムに収録されています。

のちに、リメイクされてドラマの主題歌になって、大ヒットしましたけれどね(^o^)

 

この歌は、省吾さんのお母様が脳梗塞で倒れた時

その知らせを聞いて帰郷した際に、色々な想いが溢れてきて出来た歌のようでした。

その時に、ちょうど雪が降っていたようなので、こういった歌詞の内容になったみたいです。

 

そんなエピソードを聞くと、余計に胸に沁みてきちゃいますよね。

 

悲しみは雪のように (1981)

悲しみは雪のように (1981)

  • 浜田 省吾
  • ロック
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  • provided courtesy of iTunes

 

そして、今でもライブで必ずと言っていいくらい歌ってくれる「ラストショー」という歌も収録されているんですけれど

この歌を聞いた時、その歌の造り、構成が素晴らしいなっと感じたんです。

当時だと斬新な造りでしたねぇ。

歌詞の内容も映画を観ているようなストーリー仕立てになっていて

とにかくカッコイイ歌なんです。

 

これは余談ですけれど

私が高校時代、クラブの先輩がこのアルバムが好きで、放送室にあるプレイヤーでレコードをかけて聞いていたんですけれど

特に、この「ラストショー」がお気に入りだったようで、何度もリプレイして聞いていたんです。

すると、それを周囲で聞いていた部員のメンバーまでもが感化されて、皆で口ずさんで盛り上がったりした想い出があります。

それだけ誰の心も掴む歌なんだろうと思います。

 

 

「さよなら バックミラーの中に あの頃の君を探して走る

さよなら 二人演じた場面(シーン)を

思い出す もう一度 もう一度」

 

「あの頃 カーラジオから俺の

あの頃 お気に入りの❝Like A Roling Stone❞

星は君のもので 月は俺のものだった」

 

「きっと 別々の車線を

きっと 走り始めていたんだね

二人違う景色の中を ひとりぼっちで」

 

「さよなら エピローグは俺ひとり 明け方の海岸線を走る

さよなら フラッシュバックのような

過ぎた日々 抱きしめて もう一度 忘れるために…」

 

 

ラストショー (1981)

ラストショー (1981)

  • 浜田 省吾
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そして「悲しみは雪のように」が主題歌になったドラマ「愛という名のもとに」と同名の曲が、このアルバムに収録されているんです。

もともと、この歌のタイトルを引用して、あのドラマのタイトルになったんですけれどね。

 

この歌は切ないバラードですねぇ…。

歌詞もグッときちゃいますし、とにかくメロディが綺麗です(*´▽`*)

 

愛という名のもとに (1981)

愛という名のもとに (1981)

  • 浜田 省吾
  • ロック
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そして、もう1つ。

色んな角度から解釈のできる「陽のあたる場所」という歌があるんです。

歌詞の内容は表面的には、ラブソングなんですけれどね。

このタイトルに強い意味があるんです。

 

英訳すると「A PLACE IN THE SUN」

それはスティービーワンダーの歌のタイトルでもあるんですよね。

その歌は、省吾さんが学生時代に、初めて人前でステージの上で演奏した歌でもありました。

省吾さんの中で思い入れのある歌だったようです。

そういうこともあり、省吾さんが開催する野外コンサートのタイトル名は

「A PLACE IN THE SUN」でもあるんです。

こだわっていますよね(*^^*)

 

その他にも、60年代に同名の洋画『陽のあたる場所』が上映されていたようなんですけれど

省吾さんは、その映画が好きだったようで影響も受けていたようでした。

その映画は、地位や名誉に目がくらんで犯罪まで犯してしまった❝浅はかな男の悲しい人生❞を描いているんですけれどね。

男は浅はかな生き物だよと言うことを、自身の「陽のあたる場所」でも歌っているのかもしれません

 

そして、当時はよくこの歌を歌う前後に、省吾さんはこんな風に語っていました。

 

「まだ若かった頃。

貧しくてすぐ目の前にある慰めを愛だと思い、夢中になれるものを夢だと思って手に入れてしまう。

だけど、やがて少しずつ大人になってゆき、初めて本当の愛や本当に欲しかったものに出会った時、人は時に、そこからは遠く離れてしまっていることがある。

 

どうかみんなが、そして僕も、真実の愛や本当の夢に巡り会えて、それを手にすることが出来るよう祈っています。」

 

「ただ1人の人を見つけて、その人を愛し、そしてやがて子供が生まれ、二人が出来なかったことや、やれなかったこと、そしてやり残したこと、それを子供に託していく、そんな単純で素朴な人生が僕はいい。

それがいい。

だけど僕を取り巻く色んなこと、それは時にあまりに複雑で、そしてすれ違ってしまって。

そんな時、僕は自分にこんな風に語りかける。

❝ HEY!省吾。あんまり周りのことは気にすんなよ。

疲れ果てて何もかも嫌になった時、帰って行く、帰って行ける場所を、ただ1つだけ、探しておくんだ。

それが、きっと陽のあたる場所だ ❞」

 

著書「浜田省吾事典」より

 

 

「陽のあたる場所」

そのタイトルには、それは「自分が帰って行ける場所」っという意味も含んでいるんです

私も、よく思います。

私にとっての「陽のあたる場所」って、何なんだろうなぁ~?っと。

そんな風に、色々考えさせられたりする歌です。

 

陽のあたる場所 (1981)

陽のあたる場所 (1981)

  • 浜田 省吾
  • ロック
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その他にも、メッセージ性のあるノリノリのロックもあったりしてね。

2週間で完成したとは思えないくらい、丁寧に作り上げられているんです。

 

ちなみに「独立記念日」という歌を聞くと、尾崎豊さんは、この歌から影響を受けて「卒業」が出来たんじゃないかなぁ?って思えたりします。

 

独立記念日 (1981)

独立記念日 (1981)

  • 浜田 省吾
  • ロック
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アルバム収録曲

  1. 愛の世代の前に
  2. モダンガール
  3. 愛という名のもとに
  4. 独立記念日
  5. 陽のあたる場所
  6. 土曜の夜と日曜の朝
  7. ラストショー
  8. センチメンタルクリスマス
  9. 悲しみは雪のように
  10. 防波堤の上

 

このアルバムの中で私の好きな曲は

全部です(笑)

 

そして、このアルバムについて、省吾さんはこう語っています。

 

 

 81年の夏に、2週間くらいで作ったアルバムなんですけど、武道館に向けて強力なアルバムを作りたいというエネルギーに満ちていたんでしょうね。

❝ラブ・ジェネレーション❞という言葉が60年代に流行りましたよね。

あの頃は凄くヒッピー的なイメージとしてラブ・アンド・ピースの世代だと言っていたんだけど、僕は、そうじゃない、愛の時代というのは、もっともっと後の世代なんだと思ったんです。

1945年に原爆が投下されて、核融合というのが地球という脆い生命体の中に持ち込まれたわけでしょう。

それまでの何億年とその後のわずか30年というのは、全く違う世代だなと思ったんです。

それまで戦争というのは、どんな戦争にしも、せいぜい知れてるわけだし、地球の生命体とか、それ自体や人類のヒューマン・レースには何の影響も持たないものだったけど

1945年以降の世代というのは、一瞬にして全人類がいなくなってしまうという、とてつもない大きな危機感と虚無感に左右されてると思うんです。

そういうものが、この地球上から消えない限り、本当のラブ・ジェネレーションとは言えないよね、というそんな気持ちでタイトルをつけたんです。

 

著書「浜田省吾事典」より

 

 

音楽作りをする上で、そこまで頭に入れて歌を作る人って、なかなかいないですよね。

核の問題もしかり、人類滅亡の危惧も見据えて、その想いを歌で表現するというのも

省吾さんならではだなと感じるエピソードだったりします。

 

でも、そういった省吾さんの言葉から教えられることも沢山ありました。

省吾さんの歌に出会うまでは、全くそういった問題に関して

私自身、無頓着で興味すら湧きませんでした(^_^;)

今普通に暮らしているんだから、良いんじゃない?という

それこそ浅はかな考えでいたような気がします。

 

そういった意味でも、ロック・ミュージックを聞いているはずなのに

道徳や社会科の勉強をさせてもらえている気分になったりしたものでした。

色んな意味で、身がつまっていて奥の深いアルバムです。

 

っと長々と綴ってしまいましたが(^▽^;)

本当なら、他の曲についても、もっと掘り下げて綴りたいところですが…。

この辺で終わらせておきます(笑)

 

そんな風に歌詞といい、メロディといい、全てがグレードアップしたアルバムになっています。

ですが、次なるアルバムでは、もっとスケールの大きい壮大なテーマを歌いあげた歌もあったりして…。

浜省ワールドが揺るがないものになっていくんです。

 

そのお話については、次に続きます(*^_^*)

 

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