浜田省吾ヒストリー⑮ アルバム「SAVE OUR SHIP」
浜田省吾さんの歴史を振り返るコーナー。15回目は…。
アルバム「SAVE OUR SHIP」
前回のアルバムは、ラブソングだけを収めたアルバムにしたい!
っという省吾さんの強い願望があって
ある程度、年齢を重ねた大人の男女が、ふいに堕ちる
❝戸惑いながらも引き返せない恋愛❞をテーマに制作された作品でしたが。
次なるアルバム「SAVE OUR SHIP」では
今までの省吾さんのイメージを180度覆すような
少々、ぶっ飛んでる楽曲も取り入れられました(〃'∇'〃)ゝエヘヘ
そう、とうとう省吾さんも、当時巷で流行り始めた
ヒップホップやら
ハードコアラップに挑戦してしまったんです!
昔っからのファンとしては
最初は受け入れにくくて、違和感を感じてしまって
私もアルバムを買って1回か2回聞いた後は
あまり好んで聞かなかったアルバムだったりしたんです f( ̄  ̄=)ポリポリ
当時、私はシングルマザーで
金銭的にも時間的にも余裕もなかったこともあって
ファンクラブはやめてしまったし
今みたいにネットで情報を得ることも出来ない時代でもあったので
ライブにも行くことも出来ない
「ファンとして空白の時間」に身を呈していたため
アルバムは買ったりしてましたけれど
少し省吾さんから遠のいていた時期でもあったんですよねぇ(⌒-⌒; )
なので、あまり詳しい解説もできません(笑)
そんな風に背景に、色々あったアルバムではありましたけれど
何かをキッカケに、改めてジックリ聞いていくうちに
急激に「良いアルバムじゃないか!!」
っと思えて好きになってしまったアルバムだったりしたんですよ(*^m^*) ムフッ
一応、このアルバムもオリコンチャート2位なったんです(*^-゚)vィェィ♪
良いアルバムと思えるようになったキッカケの曲は
アルバムの要にもなっている曲で、☟過去にも記事にした事のある
「日はまた昇る」でした。
(これはヒップホップ系じゃないよ・笑)
この曲はねぇ。
順風万般にはいかない波乱な人生を
紆余曲折しながら歩んできた者にとっては
励ましやエールを送ってくれるような曲でね。
悩み尽きない人生であっても、どうにかなるさ!
自分の人生を受け入れて楽しもう!
っと語りかけてくれて、心を軽くしてくれるそんな曲です。
「最期に笑えれば、それでいいのさ」てな感じでね(*^^*)b
省吾さん自身が、そうやって生きてきて
その後も、そうやって生きていくんだと感じて作ったのだと思います。
ライブ行った際に聞くと、毎回色んな想いが込み上げてきて
号泣しちゃうんですけれどねぇ(〃'∇'〃)ゝエヘヘ
海鳴りの聞こえる丘で 青空を見上げて思う
この旅の途上で 愛した人の懐かしい面影を
今日まで何度も厄介な事に 見舞われて来たけれど
今もこうして暮らしてる
これからも生きていけるさ
夕日が空を染めていく 明日の朝も日はまた昇る
俺がここにいる限り 俺がそこにいようといまいと
激しい河の流れを 静かに見つめて
闇の向こうに何があるのか 誰ひとりわからない
わかなぬ事をわずらうよりも
今日この時を生きていたい
河を渡り 谷間をぬって 頂きを越えて
長い旅路の色んな場所で 数えきれぬ人に出会う
誰もが皆 自分の人生と闘っている
荒野にひとり君は立ってる 行く道はいくつもある
だけど 辿り着くべき場所は
きっと ただひとつだけ
どの道を歩いて行こうと 君は君のその人生を
受け入れて楽しむ他ない
最後には笑えるように
そして、省吾さんらしいロック系の曲も
もちろん収録されていまして
この曲はMVも見ていてカッコ良くてシビレちゃうんですよ(*^▽^*)b
アルバムのタイトルの意味「我らの船を守れ!」から
連想されるような内容で
自分で自分に言い聞かせるような感じで
やはり自己救済的な曲だったりするのかな。
そして、愛する人の存在が必要だということも…。
「モノクロームの虹」
ワイパーも歪む程の雨
青ざめた光の闇に迷い込んで
スピンした車体が
中央分離帯のガードレールかすめてゆく
まるでスローモーション 動かない心
こんな夜は逢いたい 君に抱かれ眠りたい
どんな未来も受け入れる 君がそこにいれば
モノクロの虹のような夢に傷付き
壊れた心を見てきた
再生と死を繰り返し転がるよ
終わりが辿り着くところへ
解放への幻想(イリュージョン)胸に抱いて
こんな夜には逢いたい 君に抱かれ眠りたい
どんな未来も受け入れる 君がそこにいれば
もう風の音も 世界が軋む音も
刹那の河 深くに沈めて 今日を生きる
こんな夜には逢いたい 君に抱かれ眠りたい
どんな未来も受け入れる 君がそこにいれば
その他には、物語として繋がっている曲が3曲。
- 「真夏の路上」
- 「午前4時の物語」
- 「あい色の手紙」
「午前4時の物語」に出てくる主人公というのが
正当防衛のためにバットで人を撲殺してしまった男。
この曲がヒップホップ調の曲です。
「真夏の路上」に出てくる主人公というのが
何もかもに理由もなく噛みついては
嵐がくるのを待っているような人物で
☝の際にバットで撲殺されてしまった男。
ちなみに、この曲は吉田栄作さんに提供してる曲でもあります。
そして「あい色の手紙」に出てくる主人公というのが
人を撲殺してしまった男が
罪を償うために収容されている刑務所の中で
恋人からの手紙を読みながら、感慨にふけっているという内容。
ちょっと物騒な物語ですが(A´・ω・)フキフキ
「あい色の手紙」は、その立場と心境を想うと
複雑な気分になって、ちょっと切ない曲だったりします(´∩`。)グスン
青空に一筋の飛行機雲を見上げた昼休み
あい色の見慣れた文字 あの娘の手紙読み終えた
父にぶたれて 母に泣かれて
それでも私あなたと暮らしたい
塀の向こう壁にボールを弾ませて遊ぶ子供らの笑い声
人はどこで人はいつから 償えぬ程の罪を背負うのか
父にぶたれて 母に泣かれて
それでも私あなたと暮らしたい
いいさ 君の好きなように 僕も君が欲しい
ひび割れた夢のかけら 捨てて人の心知った
束の間の若き日々よ いまこそ僕に優しい季節を
そして、ラップ入りでも聞いているうちに馴染んでいったのが
「LOVE HAS NO PRIDE
(この街の男は女のことで悩みすぎてる)」
そのタイトルの通り
恋するとプライドも見失って、女性に振り回されては嘆く男性のことを
皮肉って歌っている曲だったりします。
同時に女性も女性で、男を見る目がない事も歌っている曲です。
鋭いところを突いているなって思いますよ(笑)
で、これ、MVがユニークな造りになっていてね。
途中でヒップホップスタイルの省吾さんも登場するという(笑)
(☝ヒップホップ姿で登場というのは私のとんだ記憶違いでした💦
写真集に掲載されていたのと勘違いしてました(;^ω^A)
彼女がメタルのドレスに身を固めて通り過ぎる時の
あの冷たい視線は軽蔑かな?
❝知りたかないよ❞
女って自分のことを好きな男に
なんであんなに冷たい素振りが出来るんだろ?
LOVE HAS NO PRIDE
跪いて魂まで差し出して
ミリオン単位の札束積んでも
あの娘が乗るのはアイツ
❝この街の男は女のことで悩みすぎてる❞
この恋まるで氷の上で燃える青白い炎のよう
この恋まるで水の中で冷たく頬をつたう涙のよう
彼女が目のまわり腫らして奴に殴られたアザを化粧で隠し
今日もOfficeで働いている
❝見たかないよ❞
女って自分が好きになった男が
どんなに酷い奴でも なんであんなに尽くすんだろ?
LOVE IS BLIND
踊りたいよ 月明りの下
腰を抱き寄せ でもそれは夢
あの娘が乗るのはアイツ
❝この街の女は男のことで悩みすぎてる❞
この恋まるで嵐の海に浮かぶオール失くした小舟のよう
この恋まるで裁くの砂の中に
こぼれ落ちたダイヤモンドのよう
But It' all right She's so cool
虚しく一途な恋に生きてる
❝この街には無数の孤独な男と女がいて
でも理想の恋人に出会う確率はゼロ
やっと見つけた彼女には もう彼氏がいて
男の俺から見れば そいつはまるでクズ
だけど彼女は そいつを一途に愛していて
未来もチャンスも幸せも掴み損ねてる❞
LOVE IS BLIND
踊りたいよ 月明りの下
腰を抱き寄せ でもそれは夢
あの娘が乗るのはアイツ
❝この街の男は女のことで悩みすぎてる❞
❝この街の女は男のことで悩みすぎてる❞
But It' all right She's so cool
虚しく一途な恋に生きてる
この恋まるで氷の上で燃える青白い炎のよう
この恋まるで水の中で冷たく頬をつたう涙のよう
この恋まるで嵐の海に浮かぶオール失くした小舟のよう
この恋まるで裁くの砂の中に
こぼれ落ちたダイヤモンドのよう
その他にはバラード系でシングル盤としても発売された曲で
片想いしている女性に対して友達のままで良いと思いながらも
葛藤している心情を歌っている
「君の名を呼ぶ」
やはり、ヒップホップ調の曲で
「…to be ❝Kissin' you❞ 」
そして、そして私・青空としては外せない曲で
厳かな雰囲気を醸し出していて心が鎮まるような曲。
「青空」などがあります。
青空を見てた流れゆく雲と太陽の動きを
壁にもたれて 窓を見上げて 扉を閉ざして
夏が過ぎてく風のない部屋
海鳴りの窓辺を群れる野生の馬を追いかけ
歩く素足で 走る歓声あげて 叫ぶ目を閉じて
冬の気配を波に感じて
君はどこから来たの?
瞳の奥に太陽を育み
夕映えの入り江のほとりに
雲の重さに耐える強さを与えてくれた君の真っ直ぐな心
青空を見てる桜吹雪舞う川沿いを歩く
行こうどんな明日が 聴こうどんな音が 立とうどんな場所が
僕ら二人を待っていようと
アルバム収録曲は…。
- 青空
- …to be ❝Kissin you❞ (シングル盤あり)
- GIVE ME ONE MORE CHANCE
- LOVE HAS NO PRIDE (シングル盤あり)
- 君の名を呼ぶ (シングル盤あり)
- 真夏の路上
- 午前4時の物語
- あい色の手紙
- 彼女
- Theme of ❝Midnight Cab❞
- モノクロームの虹 (シングル盤あり)
- 日はまた昇る (シングル盤あり・詩人の鐘カップリング曲)
このアルバムの中で私が好きな曲は…。
そしてこのアルバムについて省吾さんは☟こんな風に語っています。
まず出来たのが、『モノクロームの虹』。メンバーを集め、自分で譜面を書いて、ギターも全部自分で弾いて、ひとりで手作りのようにして出来たはじめてのシングル。
これが意外によかった。
次が『LOVE HAS NO PRIDE』。
この曲は、プロデューサーの水谷公生さんと、彼が導入したプロトゥールスというコンピューターソフトを使って制作した。
頭の中でアレンジした場合、譜面に書いて実際やってみると、想像通りにならなかったりすることがあるけれど、プロトゥールスを使えば自分の望む音をその場で聴きながら作っていくことができる。
『LOVE HAS~』は、おそらく日本のポップ・ミュージックでプロトゥールスを使った最も初期の作品のひとつのはず。
その後、『詩人の鐘』『…to be"Kissin' you"』と同じようにしてシングルを作るうちにプロトゥールスもグレードアップし、俺も何ができるのか詳しくわかってきた。
それらの経験を生かして、今回も水谷さんに協力してもらいながらアルバムを作ることにした。
たとえばベースやサクソフォン、オーケストラなどどうしても専門的なプロフェッショナルでなければできないものはミュージシャンに頼み、ギターは俺と水谷さん、ほぼ全部ふたりで弾いている。
その他の楽器も80%ぐらいはふたりの相棒のコンピューターによるもの。
そういう意味では21世紀的な音の作り方になったけれど、だからといって完璧なコンピューター・サウンドかというと全くそうではなく、手触りは非常にアコースティックなものになっていると思う。
水谷さんに言わせると「デジタルって曖昧じゃないから、逆にその人の感覚が思いっきり出てくる」とのこと。
同感だ。
シングルとして発売された『君の名を呼ぶ』は、メロディは97年くらいに出来ていて気に入っていたのだけれど、詞がなかなか書けなかった曲。
メロディとの関係がまるで長いつきあいの友達のようになってしまい、「こんなに手こずらせるなら、もう縁を切る」と冗談のようなことまで思った。
それが今回やっと出来て、とてもうれしい。
聴いた人は「こんなシンプルな歌詞なのになぜ」と思うかもしれないけれど、俺自信が思う旋律と言葉とのマッチング――メロディは熱くなっているのに言葉がついていかない、あるいは逆に言葉がウェットすぎるとか――に対するこだわりがあるんだと思う。
ミキシングとマスタリングは水谷さんの提案もあって、イギリスで行った。
ミキサーはスティングの作品でグラミー賞をとったサイモン・オズボーン。もうひとりが、ロンドンの若いエンジニア、クリス・シェルドン。
たとえば、70年代にステージで演奏していてレコードにはなっていなかった曲『あい色の手紙』は、星勝さんのアレンジとサイモンのミキシングがとてもいい化学反応を起こして、すごくエモーショナルな仕上がりになっている。
そんな風に省吾さん的に、満足な出来栄えになった アルバムで
デジタル感も満載だったりして
新しい事にも挑戦した最高傑作のアルバムなったようです。
長いツアー期間中に発売したシングル曲を、多数収録した点もあって
シングル盤を買わなかった人は、お得でしたけれどね(笑)
にしても、私としてはスルメみたいなアルバムでしたねぇ。
噛めば噛む程っという感じで、聞けば聞く程
作品の良さが伝わってきたみたいなね(*^日^*)
意表を突かれたアルバムでしたけれど
次なるアルバムでは、またいつも通りの省吾さんらしいアルバムになり
今度は自分の音楽の原点に戻りながら、また新しいドアを開けるという
「日常生活の光と影のワンシーンを切り取って
それぞれを対比させながら情景を描いている」
ようなアルバムになっています(o'∀'o)
そのお話については、次に続きます(*^_^*)