浜田省吾ヒストリー⑥ アルバム「HOME BOUND」
浜田省吾さんの歴史を振り返るコーナー。
このコーナー、久しぶりの更新になってしまいましたが(^-^;
これまで↓5つのアルバムについて綴ってきました。
6回目になる今日、取り上げるアルバムは…。
アルバム「HOME BOUND」
ターニングポイントとなった前回のアルバム「君が人生の時」で
自分らしい曲作りをしていけるようになった省吾さんは
このアルバムで、更に飛躍して、それまで本当にやりたかったロックミュージックというものを、本格的に生み出していくようになりました。
まるでタガが外れて、それまで押さえていたものが湧き出てきたように感じられるアルバムになっています。
それまでのアルバムと聞き比べると、水を得た魚のように、省吾さん弾けたなぁ~っとわかるくらいです。
そして、各歌の歌詞から、省吾さんが何を想い、何に心動かされ、どう生きてきたのかも伝わってきて
「浜田省吾というミュージシャンの実像を知りたければ、これを聞けばわかる」っというアルバムになっています。
そういった充実した内容になっているということもあり、省吾さん自身「本当の意味でのデビューアルバム」だと感じているようでした。
レコーディングについても、音にこだわりたいと感じて、ロスでレコーディングもされて
向こうのミュージシャンに演奏も依頼して、省吾さんとしては新たな挑戦でもありました。
このアルバムの中で、代表的な歌に「終わりなき疾走」という歌があるんですけれど
その歌はライブでもよく歌われる歌で、省吾さんが音楽と出会ったことにより
自分が目指す道が見つかり、人生が走り始めたことが描かれていて、躍動感のある歌で、ファンの間でも絶大な人気のある歌なんです。
この歌について、省吾さんは、こんな風に語っています。
メロディは少しずつ日本で作っていたんですが、詞は全部向こうで書いたんです。
この曲は、スタジオのソファーで彼ら(スティーブ・ルカサーやジェフ。バグスター、ニッキー・ホプキンスなど)が出す音を聞きながら、音からくるイメージを言葉で探していったんです。
テーマも「ロックに戻る」っていうことから、子供の頃、ギターに出会った時のイメージで❝ロックミュージック❞をテーマに書きました。
(著書「浜田省吾事典」より)
他には「東京」という歌があり
その歌は、省吾さんの目に映った東京という街のイメージが描かれていて、表向きの華やかさとは裏腹にある、陰の部分を斬るように描かれていて印象的な歌でした。
この歌について、省吾さんは、こんな風に語っています。
ちょうど沢田研二さんの「TOKIO」が流行ってた時で、僕だったらどういう風に東京を歌うかって考えて作った歌なんですけれど。
それである評論家が「非常にダサイ。被害妄想なんじゃないか」というようなことを…。
まぁ、僕は常にそういうことを言われ続けてきてるんだけど(笑)
誰かと同じ視点で物を見るんだったら、僕はいなくてもいいわけだから。
(著書「浜田省吾事典」より)
結構、省吾さんは、色んな音楽評論家から、こういう風に言われちゃうんですよね(^_^;)
暗いだとか捻くれているだとか…。
でも、そもそも評論家って何を基準にモノサシにして、あれこれ語っているのか良くわからないですからね。
それが正しいのかさえアテにならないわけで…。
毎度勝手に言われちゃって、省吾さんも気の毒です。
聞く人の心に響くのであれば、歌というのは誰がどうこう言うことでもない気がするんですけれどね。
そして、このアルバムの中には、今でもライブの最後の最後に歌ってくれる名曲があるんです。
その歌というのが「家路」という歌で、Mr.Childrenの桜井さんが自分のフェスのゲストに省吾さんを招待して、ステージの上で一緒に演奏して歌ったこともある歌なんですけれどね。
これが、ハングリー精神を掻き立ててくれるような歌でね!
最高に勇気を与えてくれる歌なんです。
どんなに遠くても辿り着いてみせる
石のような孤独を道ずれに
空とこの道 出会う場所へ
この歌の影響もあり、私のブログの背景画は「空と道」が写っている写真なんです(*^▽^*)
「ON THE ROAD」というタイトルとも被らせていますけれどね(*^^*)b
アルバム収録曲は
こアルバムの中で、私が好きな曲は
- 終わりなき疾走
- 東京
- 丘の上の愛
- 傷心
- 今夜こそ
- 明日なき世代
- 家路
「あばずれセブンティーン」は、甲斐バンドの甲斐さんが好な歌でもあり
カバーされていたりするんですよ。
「丘の上の愛」はバラードなんですけれど❝愛が買えるなら涙のわけを教えて❞と歌っている歌で、とても胸に沁みてくる歌で大好きな歌です。
「今夜こそ」も、この暗闇の世界から、好きな人を連れ出してあげるんだ!と歌っている歌で、アップテンポなメロディーで、心地よい歌なんです。
そして、省吾さんは、このアルバムについて、こう語っています。
原田真二君とか世良公則君とか、自分達より後輩がどんどんブレイクしていって、ひょっとしたら僕の時代は来ないまま終わってしまうのかなぁって思ってたんですね。
で、このアルバムを作ってコンサートも少し出来るようになって日本中を回り始めたら、違うものが見え始めたんです。
夢のようなサクセスストーリーとか、金持ちになってアメリカに留学してみたいとか、色んなことが夢なんだなぁという中で、300人や400人のお客さんしかいないんだけど、そこで演奏して凄く楽しかったんですよ。
これでいいんじゃないかって思い始めた。
ある意味じゃ、僕のデビューアルバムっていう感じがしますね。
当時、ジャクソン・ブラウンが好きで、彼はセクションというバンドをやってたんです。
僕はロンドンに行きたかったんだけど、セクションとやれるかもしれないというんで、このアルバムをロスアンジェルスでレコーディングしたんです。
ロックの生まれた国で音を録ろう、本当のピュアなミュージシャンというのは、どういう感じなのか会ってみたいと思って。
結局、セクションのメンバーはジャクソン・ブラウンのあの❝HOLD OUT❞ツアーでいなかったんで、メンバーは変わったんですけど、凄くいい体験でしたね。
(著書「浜田省吾事典」より)
ブレイクすることに囚われすぎていた時期は
本来、楽しいはずの音楽活動が、自分を苦しめるだけのものになっていましたけれど
自分の出来る範囲で、やれていれば良いんだと悟ることが出来ると
人間って、不思議とそうなってからの方が実力を発揮できるのかもしれませんよね。
肩肘を張って、力が入りすぎていていてもダメなこともあるのでしょう。
自分自身が、本当に作っていて楽しいと思えるものを作品にして
表面的に装うのではなく、自分の想いなどを作品に託して、自分に正直に生きることが大事なんだということを、省吾さんの生き様を見ていて感じたりします。
きっと、ブログもそうなんでしょうね。
基本的に書いていて、自分が楽しめないと行き詰ってきてしまいます。
自己満足でも構わないから、自分が興味あることを書くのが苦にならずに済むんでしょうね。
っということで、このアルバムで一気にスパークして、自分の世界観を全面に打ち出すことが出来た省吾さんですが
次なるアルバムでは、更にグーンとパワーアップするのでした!
徐々に時代の方が省吾さんを選ぶようになってきた感じなんです。
そのお話については、また次回に続きます(*^_^*)