中島みゆき「糸」
今日、ピックアップする歌は
70年代後半に、突如日本のフォーク界に現れ
長きに渡って「支持率上位の女性ボーカリスト」として
君臨し続けてきた中島みゆきさんの歌で
脚本家・野島伸司さんが手掛けたドラマ『聖者の行進』の主題歌にもなった
「糸」と言う歌です。
(当時発売された時は「命の別名」と言う歌のカップリング曲になっていました。)
この歌は、他の多くのミュージシャンの方からも支持されて
- 中島美嘉さん
- BankBand(ミスチルの桜井さん)
- クリス・ハートさん
- JUJUさん
- 福山雅治さん
- EXILEのATSUSHIさん
- 山崎育三郎さん
などなど、有名な方々がカバーされましたよね。
私が、この歌を初めて耳にした時、やはりその歌詞に胸が打たれました。
生きていると人と人の繋がりや関係性について
プラスに思えることもあれば、逆にマイナスに思えてしまうことがありますよね。
そして、なぜなの?と誰かに問いかけてみたくなったり
答えが見つからなくて、日々、消化しきれずにいては、もの想いにふけってしまうことも。
そんな時に、この歌詞のような解釈の仕方があるのだなと思ったら
ふっと救われた気がして、モヤモヤしていた気持ちが晴れるような気がしました。
歌詞の↓この部分に答えを見つけられたんですよね。
「縦の糸は あなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない」
「織りなす布は いつか誰かの 傷をかばうかもしれない」
「逢うべき糸に 出逢えることを 人は仕合せと呼びます」
人には、色んな出会いがあって、出会う数だけ、それぞれに様々な形の関係性が生まれます。
そこには、無意味に思える関係性もあるだろうし、心から大切にしたいと感じられる関係性もあります。
でも、どういった関係が築かれても
そのどちらにも、得られることもあれば軋轢を生むこともあって
どちらが正解かとは言えないのが実情だったりしますよね。
だから、葛藤して悩むんでしょうしね。
そういったことを、この歌詞のように、人との繋がりを糸に見立てて
糸というのは織り上げていけば、1つの完成した布になるんだよなぁっと思えば
どういった繋がりであっても、その布には意味があるんだと思えて、気持ちが楽になりますよね。
そう気付けた時、まるで❝目から鱗❞ でした(笑)
まぁ、その時に気付けても、また悩んだりはしちゃいますけれどね。
だって、人間だもの(;^ω^)
なので、また気持ちが迷った時には、この歌を聞くようにしています。
そして私も❝逢うべき糸に出逢えて、仕合せになりたい❞と未だに思うことも(笑)
中島みゆきさんは、こんな短い歌詞の中に、聞き手が、それだけのことを感じ取れるメッセージを書けて凄いですよね!
❝幸せ❞と言う漢字を使わずに、❝仕合せ❞と言う字を、敢えてチョイスされるところも
広い意味で解釈できるようにされていて、巧みな言葉選びだなって思います。
そうそう、この歌が主題歌になっていたドラマの内容は、実際にあった事件を取り入れたもので
国から特別な補助金を受けることだけが目的で、知的障がいのある若者たちを雇用しては
その裏で彼らを虐待していたり、正規の賃金を支払わずに労働させる、悪徳企業の実態をクローズアップしたものでした。
ドラマの中には、ボランティアで知的障がいのある若者たちに、音楽を教えていた高校の女教師が出てきて
女教師が、その企業の実態を知り、若者たちを守ろうとして訴えて裁判を起こそうと闘う姿も描かれていました。
弱いもの同士が手と手を取り合えば、他の誰かを救うこともできるはずと言うことが、大きなテーマだったような気がします。
「命の別名」と「糸」の2曲とも、主題歌になっていたんですけれど
どちらも、ドラマの内容にマッチしていて、相乗効果になっていたような気がします。
当時は、すぐにヒットしませんでしたけれど、後になってジワリジワリきた曲なんでしょうね。
今では、ほとんどの人が知っている名曲になりましたものね(^_-)-☆
歌も、どのタイミングでヒットするのかわからないものですよね。
中島みゆきさんの歌は、他にも好きな歌があるので
またいつか取り上げてみたいなと思っています(*^_^*)